現役DXデザイナーの講話 #3 樹野さん

現役のDXデザイナーのお話、第一弾は企業内のDX推進担当者に始まり、第二弾が社外からDX推進をサポートするコンサルタントのお話が続きました。第三弾は販売事業者のお話です。

講師にMicrosoft365やPower Platformの導入サポートで地域の中小企業を支えておられる株式会社インタークラウドの樹野社長をお迎えしてお話を伺いました。

現在のようなIT産業の興隆は予想しえなかった学生時代から、PCやインターネットが普及していく時代を経て、生成AIの活用を展開していく現在に至るまでをお話いただきました。

主要産業の変化

最初に、樹野さんが学生だった時代から現在に至るまでの日経平均にて、時価総額ランキングの変遷を見せていただきました。

バブル絶頂期の1989年では、世界第二位がNTTで、5位から9位までも日本の銀行がランクイン。情報産業はIBMが10位にランクインしているだけでした。

それが30年を経た2021年では、2位の石油王と10位の半導体製造を除いてすべてIT企業が占め、日本企業は32位にトヨタがランクイン。総額も当時の10倍に!?

日本経済が衰退したというよりも、金融業や製造業から情報産業へと、時代が大きく変わっていったことがよくわかります。それを背景に、樹野さんの職業経歴のお話をいただきました。

非IT職種からIT職種へ

大学は法学部だったそうで、特にコンピュータ工学などを志しておられたわけではなく・・・というより現在のようなIT産業自体がまだなかった時代です。

大手自動車メーカーの総務部にお勤めされたのち、教育関連企業でネットワーク本部長としての業務に従事され、そこからITコンサルとして独立・起業というキャリアにつながります。

早い段階でHTMLを独学してウェブページ作成されたそうで、先見性と学習力というこの業界に必要なマインドセットやスキルセットを、当時から持っておられたことが分かりました。

生成AIの衝撃

色々な時代を経て、これからは生成AIの時代が来るとみられており、特に講話から数日後にMicrosoft Copilotがリリースされ、樹野さんのビジネスも大きく変わるとお考えでした。

Copilotはリリース前ということで動画による紹介となりましたが、写真を見せただけで製品名やスペックを教えてくれるGPT4によるデモを見せていただきました。

優秀な副操縦士を月額30ドルで使えるのは非常に便利だと思いましたが、AIを使うリテラシーに長ける必要性も同時に感じた時間でした。BingChat使い倒そう!

中小企業がカギ

日本は、企業数は殆どが中小企業、従業員数も7割近くが中小企業にお勤めだそうです。DX推進のカギは、中小企業が握っているとも言えますね。

樹野さんのように中小企業と強い信頼関係を結び、ITに関する相談支援ができる事業者の活躍によって草の根までDXが進み、地域経済が活性化していくのかも知れません。

地域の経済団体やネットワークを基盤にした関係性がビジネスになっていくスタイルが新鮮に映った受講生もいたようです。経済は合理性のみならず感情もキーファクター!

テクノロジー躍進の裏で、節約されたはずの膨大な時間はどう使われているのか?という質問が印象に残りました。より生産性や創造性の高い仕事にシフトしていきたいものですね。

これからの仕事は、組織のルールに沿って生成AIを優秀なブレーンとして駆使すること、社外に相談できる専門家を持つこと、就職先でも意識して欲しいと思っています。

引き続き、「自分」「世界」「沢山」「発見」をご一緒しましょう!

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