本日、広島市が主催する「女性のためのデジタル入門セミナー」にて、KEDAMAさんと吉田で一緒にお話をさせていただきました。
女性のためのデジタル入門セミナー | 講座・イベント | 広島市男女共同参画推進センター ゆいぽーと (city.hiroshima.jp)
基調講演「デジタル人材における女性のキャリア」というお題での登壇です。
吉田の「デジタル/DX/デジタル人材」など概念的な話と、実際に「デジタル人材としての女性のキャリア」を歩み始めたKEDAMAさんの体験談で構成しました。
うち、吉田のパートを記事にいたしました!
デジタル時代とかデジタル社会とか・・・
「デジタル時代」とか「デジタル社会」とか言ったときの「デジタル」って、アナログな現実世界のデータを基に再現した仮想世界のことだと私は考えています。
お掃除ロボットのルンバは、お部屋(アナログな現実世界)で掃除(デバイスがデータ収集)して、AIが間取り図(デジタルな仮想世界)を作っていっているそうです。
間取図ができるから、その部屋ごとに最適な効率で掃除が出来るようになっていくそうです。
今度は家族でドライブに出かける場合を考えてみましょう。
車がデバイスとなって移動情報がデータ化されます。
この場合は自分の車だけではなく、道路を走るすべての車からデータが送られますので膨大なデータ(ビッグデータ)から現実世界の交通状況を仮想世界に再現します。
これに、ほかの現在情報(交通情報や天気情報、宿泊施設や飲食店の情報など)と過去の履歴データも加味して渋滞しない最適ルートを割り出し、すべての車に提案することができます。
人間にできる芸当ではありませんね。AIだから可能になる世界です。
デジタルについて考えるとき、まず①データを収集するINPUTの段階、②データからデジタル世界にアナログ世界を再現するOUTPUTの段階があります。
それを③繰り返し学習して行くLEARNINGの段階があって、④高い精度で再現されたデジタル世界で得た知見からサービスを生み出すINNOVATIONの段階があると言われています。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)
このようなデジタル社会を迎えるにあたって、企業も適応課題に取り組んでいます。
これまでの時代も、企業が社外環境の変化に適応して変革をしていくという点においては変わらないのですが、これまでとはその変化の規模が全く違います。
予測できる未来なら計画的に変化していけば良いのですが、今回はそうではないので【変革】(トランスフォーメーション)と命名されています。
重機メーカーのコマツ製作所の事例を見てみましょう!
土木と聞くとデジタルからは遠いイメージですが、建設機械を売る重機メーカーが土木工事のソフトウェアサービスをサブスクリプションで売るIT企業へと変革を遂げています。
“デジタルツイン“(デジタルの双子)という言葉が出てきました。
土木工事をしながら重機でデータを取って、現実世界とうり二つな工事現場を仮想世界に再現した世界が精度高く完成しているので、新しいサービスを生み出せるようになっています。
①INPUT、②OUTPUT、③LEARNINGを経て、④INNOVATIONの段階まで進んでますね!
これは世界的にも最先端の稀有なDXの成功事例だと思います。同時に、私たちの現場はまだ一番最初の①INPUTの段階にあると思います。
デジタル人材って・・・
ではデジタル人材がどんな人材かというと、アナログな世界での業務をデジタルの世界に変換して、そこからイノベーションを起こせる人だと思います。
ただ、企業現場ではまだ紙や電話でやり取りしている業務も多く、データがありません。
業務の自動化を進めながら、そこからデータ収集する仕組みやデータ分析する仕組みを作れる人材というのが、現段階で求められているデジタル人材と言えるのではないでしょうか?
女性のキャリアとの親和性も、アナログ、デバイス(パソコン)、デジタルの3ステージ共にかなり高いと吉田は考えています。
まず、現場レベルの業務知識があり、細やかなソフトパワーを持っている。
そして、他の人が仕事がしやすいファイル管理や他の人が見やすい文書の作成ができる。
さらに、レガシー業務から解放されたバランス感覚や広い視野を持っている。
などなど、、、枚挙にいとまはありません。
ぜひデジタル人材として能力開発と能力発揮に取り組み、その力を次の時代を良くするために活かして欲しいです。
デジタル人材になるには
まずはデータを蓄積していく仕組みを作らねばなりませんね・・・。
そうなると、パソコンでの仕事は「業務知識を持って既存のシステムを操作すること」から、「業務経験を活かして新規に業務アプリを開発すること」に変化するでしょう。
そんなデジタル時代へのスキル転換の施策として、国も【リスキリング】を推しています。
その多くは、プログラミングとデータサイエンスとWEBデザインの学習を指しており、吉田は個人的にこれに違和感を感じています。
まず、デジタル人材とIT人材はオーバーラップする部分も多いのですが、似て非なるもので、デジタル人材は現場寄りのソフトなスキルを持った人材だと思います。
そんな方々の活躍を支えるのが、ノーコードやローコードと言った新たなITの製品群です。
プログラミングコードを打ち込んで「開発」するのではなく、ソフトウェアで「作成」できるように開発環境は簡素化されて行っています。
それまでは一部の権威や専門知識を有する人だけが独占してきた技術を、誰もが使えるように門戸が開かれることを「民主化」と呼びます。
テクノロジーは民主化する歴史を繰り返しています。その民主化されたテクノロジーを活用して開発をする業務部門の人材を【市民開発者】と呼んでいます。
現在は、システムをベンダーに外注し、社内のIT職はそのメンテナンスに手を取られ、本来の開発業務に手が回っていない現状があります。
このまま現状を変えなければ、2025年には崖から落ちる(2025年の崖)と言われています。
事務職を中心とした現場を知る業務担当者は市民開発者になり、IT職はプロの開発者としてその開発を支え、スピーディに業務にフィットしたアプリを開発すること。
これを【内製化】と呼び、DX成功のキーワードとして推進している企業も増えてきました。
と、、、今日は、こんなお話をさせていただきました。
お話を聞いて下さった方々がこれからの時代について考え、デジタル人材を目指して学習してみようかな?という気持ちを少しでも持っていただけたなら幸いです。
ご参加いただいた受講者の皆様、企画や運営をしてくださったゆいぽーとの皆様、今回の機会をくださった広島市の方々、ご縁をくださった広島県の方々、有難うございました。
KEDAMAさんもお疲れさまでした。お話をしてもらって良かったです。
あとがき的な・・・
吉田の緊張とつたない説明で、分かりにくい部分も多々あったように思います。
先週、研修をさせていただいた企業様では、DX1.0とDX2.0とレベルを設定して従業員の方々に取組みを奨励していると聞きました。
DX1.0とは業務改善、DX2.0は新規創造を指すそうです。
デジタルスキルって段階なしに一括りにされると分かりにくいでしょうね。
デジタル化もプロセスがありますし、デジタル人材へのリスキリングも同様で、まずは業務を理解して自動化したり、データ化したりしていくところからです。
そのように説明すれば分かりやすかったかと反省です。これは次回に活かします。
吉田 豪