DX時代の職業人生を考える

昨年の仕事おさめや今年の仕事はじめの記事も書かないまま、1月が終わろうとしています。
記事の内容は随分と前の内容(もう1カ月以上前の話)となってしまいますが、、、。

DXの時代を生きるには

昨年11月に開校した「ITビジネスコミュニケーション科」も4か月のうち半分が過ぎました。

毎日、5時間のパソコン講習と1時間のコミュニケーション講習を頑張っている104期の皆さんですが、コミュニケーション講習の最初の課題はグループ発表でしたね。

お題は「DX(デジタル・トランスフォーメーション)時代」を共通の背景として踏まえて、そこで私たちが「充実した職業人生を送るには?」或いは「自己実現を果たすには?」というもの。

4人~5人で初めてのグループワークを行い、その結果をグループで発表しました。

発表コンテンツは、お互いにまだ知り合って間もない時期だったことから、敢えての模造紙に手作りのクラフト(テーマはDXなのにね・・・)

実際に手を動かして物理的にコンテンツを作成していった方が、創造的協働を共有した感覚を得られやすいですものね!

グループ内での話し合いも、それぞれの職業経験を踏まえた環境の変化傾向(増える/減る/大きくなる/小さくなる/長くなる/短くなる/早くなる/遅くなる)などをしっかり捉えることが出来ていたと思います。

その延長線上に未来を予測しながら、自分や他人の働くことへの価値観を共有することで、「職業人生の充実」といっても人それぞれに異なるという気づきが多く発信されました。

同じ人でも、年齢やライフステージによって変化してきたとお話される方もありましたね。

これからは、皆が一斉にステレオタイプな「職業人生の成功モデル」を追求していく時代ではなさそうです。

企業と個人とのパワーバランスも、年功序列や終身雇用が前提だった時代とは大きく変わり、発表にもワークとライフのバランスを重視する内容が多くあったことが印象的でした。

パブリックとプライベートは、どちらか一方だけが充実するということはなく、何れも大事!
両方のバランスが取れるから両方が充実するというお話には説得力がありましたね。

社会や企業がお手本となるモデルを与えてくれなくなった成功イメージは、自分自身で責任を持って追求していく、どこまでも自分軸な時代になったと言えます。

実は、「時代の変化」や「変化スピードの加速化」は今に始まったことではなく、これまでもずーっと言われてきたことでした。

しかし、今のソレはこれまでとはちょっと違う感じがしますね!

「DX」は「デジタル変革」と訳されます。「変革」というものを一時的な変化の時期と捉えれば、本来はその後に安定期が来ると考えられます。

しかしDXは、デジタル変革によって環境の変化に柔軟に適応して成長し続けるよう、自ら「変化が常態化する組織」に変貌を遂げることです。

無限の可能性に開かれた未来(まるで宇宙のよう)に対して、人間らしい創造性を発揮して進んで行こうとする、私たちらしいとてもポジティブな行為だと思います。

これまでの環境変化とは違った「陸続きではない未来」があって、私たちはそこに向かおうとしているという認識を共有することが出来ました。

氷が解けて水になるように、予測可能で緩やかな変化は終わり、もはや気体に変化するような末広がりで激しい変化のフェーズに入った感覚ですね!

その時の発表コンテンツは、ポスターとして教室の壁に貼ってあります。

確か「ここに書かれた皆さんらしい前向きな言葉が、これから始まる訓練生活を支えてくれるでしょう!」と、講評をまとめた記憶があります。

それからはや2か月がたち、パソコン授業はエクセルVBAに入り、これまでのマウス操作によるオペレーションからキーボードでコードを打つ作業に変わって少しざわざわする時間も💦・・・この状況がしばらく続くかな・・・。

「人間力」の価値がますます上がる時代に

ところで、「AIの民主化」を推し進めるMicrosoftのサティア・ナディラCEOが、Microsoftの全製品へのOpenAI統合を発表し、Office製品にも搭載すること宣言されたのが先週の話です。

【Infostand海外ITトピックス】「AIを全ての製品に統合する」 OpenAIとAI戦略進めるMicrosoft – クラウド Watch (impress.co.jp)

どういうことが起きるかというと、例えばPowerPointでプレゼン資料を作成する場合、テーマと結論だけインプットすれば、プレゼンシナリオとスライドコンテンツを自動作成してくれるようになります。

せっかく勉強したのに・・・とか、プレゼン資料の作成は得意なのに・・・という声も聞こえてきそうですが、私たちが時間をかけているこれらの仕事をAIがやってくれるようになれば、もっと本質的かつ創造的な仕事に取り組むリソースが生まれます。

AIは「意」そのものを持つことは出来ません。(今のところは)

志」「図」「味」「匠」「識」「見」「思」・・・といった熟語に使われるこの「意」というものは、人間が創造力を発揮する際に一番最初に頭や心のなかに抱く実現のビジョンのことです。

その変化スピードについていけるかという不安と隣り合わせでもありますが、皆が人間らしい創造性を持って、自分や世界を良くしていくことが出来る時代の到来を感じますね。


コミュニケーション講習の課題も、職業スピーチ/レポートの取り組みが始まりました。

皆さんがこれまでの職業人生から学習してきたこと、大切にしてきたこと、育ててきたこと、培った能力、職業観、キャリア観、企業観、社会観、人生観・・・学習が深まっていますね。

生き方も働き方もお手本のない時代です。自分でそれを見出していく知性と感性を磨かねば💦

一人で自分に向き合うことも大事ですが限界があります。
色々な方々との深い相互理解によって自分の輪郭がクッキリしてくるもので、インプットよりアウトプットによる学習の方が、価値が上がっていくと言われる所以です。

「仕事」は、労力や時間を提供して対価を得る「労働」よりの考え方から、自分らしい価値を世の中に実現していく「自己実現」を指すよう時代に変化していく過程にあります。

これは、私たち自身が変革(トランスフォーメーション)を遂げていくことで実現する世界観です。

寒い日が続いておりますが、何れ暖かい春が必ずやって来ます。
その頃は年間求人も最も多い時期ですから、もっと多くの視点や観点や論点を持って意思決定ができるよう、しっかり準備していきましょう!

吉田 豪

PAGE TOP